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子育て・受験・仕事…「塾頼み」で感じる行き詰まり

時間もお金も足りないと感じる共働き家庭のリアル
子育てと仕事、そして「子どもの将来」。この三つを同時に抱えていると、どうしても頭に浮かぶのが、
「このまま塾に任せていていいのか」
「もっとお金をかけないと、子どもの選択肢を狭めてしまうのではないか」
「そもそも、親の時間が全然足りない」
といったモヤモヤではないでしょうか。
実際、わが家も同じです。平日は仕事で帰宅が遅くなり、子どもの勉強をしっかり見る時間は限られます。塾代も安くはありません。それでも、「今より下げて大丈夫なのか」と考えると、なかなか踏み切れない。気がつくと、「塾に行かせる=親としての最低限の責任」という感覚に縛られてしまいがちです。
「塾に通わせる=正解なのか?」というモヤモヤ
もちろん、塾そのものが悪いわけではありません。むしろ、受験を目指す子どもたちにとって、塾は今も大切な学びの場です。ただ、
- すべてを塾に任せきりでいいのか
- 「塾代をどれだけ払えるか」が学びの量と質を決めてしまうのか
そう考えたときに、「この構造自体、どこか歪んでいるのでは」と感じる瞬間があります。
そんな中で、ここ1〜2年の教育ニュースを見ていると、この「塾頼み前提の構造」を少しずつ変えようとしている流れが見え始めています。
教育×AI×行政の追い風|いま何が変わり始めているのか

こどもDX推進と補正予算が示す方向性
2025年12月の補正予算案では、こども家庭庁が「こどもDX推進」に72億円、保育士の処遇改善に844億円を計上しました。詳しい内容は、教育ニュースサイトのこどもDX推進に関する解説記事でも紹介されています。
金額の大小もさることながら、「DX」「AI」「子ども・子育て」を一体で捉え、政策として動かし始めたことに意味があります。これまで「家庭の工夫」として頑張るしかなかった部分に、行政が「仕組みとしてテクノロジーを入れていく」方向へ舵を切り始めている。これは、共働き家庭や忙しい親にとって、じわじわ効いてくる変化だと感じています。
保育・子育て支援における「デジタル化」の流れ
保育や子育て支援の分野でも、ICTやAIの活用が少しずつ進んでいます。園と家庭をつなぐ連絡アプリ、成長の記録管理、保育士の事務負担を減らす仕組みなど、「人手と時間だけに頼らない子育て支援」の実験が増えてきました。
これによって、保育の現場で空いた時間を、より子どもと向き合う時間に充てられるようになる。その結果として、子ども一人ひとりへの目配りが増える。こうした“間接的なメリット”も期待できます。
学校現場で進む探究学習・ICT活用・AI導入
学校でも、探究学習や「マイ探究」のような取り組み、タブレットやオンライン教材の活用、教師向けのAIアシスタントなど、試行錯誤が始まっています。たとえば、教育分野のイベントである教育AIサミットでは、学校現場でのAI活用や個別最適な学びについての議論が行われています。
すぐに劇的な変化が起きるわけではありませんが、
- 教員の事務負担を減らす
- 子どもの理解度に合わせた教材を出し分ける
- 一人ひとりの興味に合わせて探究テーマを選べるようにする
といった方向に、少しずつ現場が動いているのは確かです。
具体例で見る「塾だけに頼らない」学びの選択肢

生成AI学習アプリ「Tech Nexus」がもたらす変化
たとえば2025年11月には、小中高生向けの生成AI学習アプリ「Tech Nexus」がリリースされました。オンライン教材と演習問題に加えて、AIチャットで「分からない」をその場で質問できる仕組みが備わっています。
従来であれば、「分からないところをメモしておいて、塾や学校で先生に聞く」しかなかった場面が、
- その瞬間に質問できる
- 類題を何問も出してもらえる
- 解説をかみ砕いて再説明してもらえる
といった形で、かなり変わってきます。
自宅でも「分からない」をその場で解決できる環境
共働き家庭の場合、親が毎回そばで教えられるとは限りません。「今日は残業」「下の子の対応で手一杯」という日も当然あります。
そんなときでも、AIやオンライン教材をうまく組み合わせれば、
- 塾がない日でも、自宅で一定レベルの学習を進められる
- 分からないところを溜め込みすぎず、その日のうちに解消しやすくなる
という環境をつくることができます。
もちろん、AIがすべてを解決してくれるわけではありませんが、「家庭学習の穴を埋めてくれる存在」には十分なり得ると感じています。
学校・行政サービスを学びのリソースとして捉え直す
これまで、「学び=塾+家庭」の二択で考えがちでしたが、これからは「学校」「行政サービス」「地域の学習支援」「オンライン教材」なども含めた、もっと広い選択肢の中から組み立てる時代になっていきそうです。
塾を減らす・やめる、という発想ではなく、
- 何を塾でやってもらうか
- 何を家庭とAIでカバーするか
- 学校や行政のサービスをどう活用するか
という“役割分担”で考えると、見える景色が変わってきます。
共働き家庭にとってのメリット|何がラクになるのか

「時間」の制約が少しゆるむ
一番わかりやすいのは、「時間」の制約が少しゆるむことです。AI教材やオンライン演習を取り入れることで、
- 塾がない日でも、短時間で要点を抑えた学習ができる
- 親が横にいない時間帯でも「自走しやすい」環境をつくれる
ようになっていきます。
「親が全部付き添ってあげられないとダメ」というプレッシャーから、少しずつ解放されるイメージです。
「お金」のかけ方を塾一択から分散できる
また、「お金」のかけ方も変えられます。これまで、教育費=塾代の比重がとても大きかった家庭でも、
- 一部をオンライン教材やAI学習に置き換える
- 合宿やオプション講座を見直し、基礎〜標準レベルは家庭+AIで補う
といった設計がしやすくなります。
結果として、「とにかく塾代が高くて不安」という感覚が、「複数の手段を組み合わせて、わが家に合ったバランスを探せる」という前向きな感覚に変わっていきます。
「親の心理的負担」が軽くなるポイント
そして何より大きいのが、親の心理的な負担です。
- 「塾に行かせられなかったら終わり」ではない
- 「親が全てを教えないといけない」わけでもない
- 「公的な支援」と「テクノロジー」が少しずつ味方になってくれている
こう感じられるだけでも、肩の力がふっと抜ける瞬間が増えてきます。
わが家の場合|父親目線で考える3つの示唆

塾×学校×AIを組み合わせたハイブリッド学習
わが家では、「塾だけ」「家庭だけ」といった極端な形ではなく、
- 基本方針:塾を“学びの軸”にしつつ
- 抜けやすい部分:AI教材やオンライン演習で補う
- 学校:探究学習やICTの活用を、家庭で話題にしてあげる
という形で、少しずつハイブリッドな学び方を試しています。
「全部を一気に変える」のではなく、できるところから、無理のない範囲で組み合わせを変えていくイメージです。
「教育×制度×保険」で長期の教育費プランを見直す
もうひとつ大きいのが、「教育費の見直し」です。教育そのものの選択肢が増えている今だからこそ、
- どこにお金をかけるのか
- 何を削っても良いのか
- いざというときの保障は不足していないか
を、「教育×制度×保険」という視点で整理し直すことが大事だと感じています。学び方の選択肢が増えるのは、家庭のプランを柔軟に組み替えられるチャンスでもあります。
完璧より「今日15分」の小さな一歩を重ねる
最後に、一番大切だと思っているのは、「完璧を目指さない」ことです。
理想を言えば、親が毎日隣に座って、子どもの勉強を見てあげられたら良いのかもしれません。でも現実には、仕事もあれば、下の子の世話もあれば、家事もあります。
だからこそ、
- 「今日15分だけAI教材を試してみる」
- 「週末のどこかで、子どもの学びの話を10分だけ聞いてみる」
そんな小さな一歩を積み重ねることのほうが、よほど現実的で、続けやすいと感じています。
今日からできるアクションと、これからの学びのかたち

まず試したい具体的な一手(AI教材・無料ツールなど)
もしこの記事を読んで「少しやってみようかな」と思ったら、いきなり大きく環境を変える必要はありません。
- 1週間に1回、AI教材を15分使ってみる
- 無料の学習アプリやウェブ教材を1つだけ試してみる
- 子どもがどのツールなら続けやすそうか、一緒に触ってみる
といった小さな一手からで十分です。
家族で話しておきたい「わが家の学びの優先順位」
もうひとつ、大切だと思うのは、家族で「わが家の学びの優先順位」を話し合っておくことです。
- 成績なのか
- 子どもの興味・探究心なのか
- 生活リズムやメンタルの安定なのか
何を大事にしたいのかによって、選ぶべき手段は変わってきます。塾もAIも学校も、「わが家の方針に合うかどうか」という目線で見ていきたいところです。
塾だけに頼らない時代に、親として大事にしたい視点
AIや行政の支援が進んでいくほど、「学びの選択肢」はこれからも増えていくはずです。
そんな時代だからこそ、親として大事にしたいのは、
- 子どもの可能性を信じること
- 完璧ではない一歩一歩を、積み重ねとして捉えること
- 使える仕組みは上手に頼りながら、わが家なりのペースで進むこと
だと感じています。
塾だけに頼らない時代は、「親だけが頑張る時代」でもありません。行政や学校、テクノロジーという追い風を味方にしながら、無理のない形で、子どもの学びを支えていけたらと思います。

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