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3/20記述力模試の結果
4科目合計193点、偏差値47.7。平均を10点下回りました。算数だけが平均を超え(偏差値53.7)、国語が最も厳しい結果(偏差値44.7)でした。
数字だけ見るとそういう結果ですが、今回はもう一段階踏み込んで、採点者の講評と長男の答案を全問照合してみました。
スコアと偏差値
| 科目 | 得点 | 平均点 | 偏差値 | 総合順位 |
|---|---|---|---|---|
| 4科目 | 193 | 203.0 | 47.7 | 2316人中 1220位 |
| 国語 | 53 | 60.2 | 44.7 | 2328人中 1487位 |
| 算数 | 50 | 42.7 | 53.7 | 2328人中 682位 |
| 社会 | 49 | 53.5 | 46.4 | 2316人中 1302位 |
| 理科 | 41 | 46.5 | 46.0 | 2316人中 1310位 |
採点講評が教えてくれた「記述式の共通ルール」
日能研の記述力模試には、教務部による全24ページの採点講評がついてきます。科目を問わず、複数の講評に繰り返し登場したのが次の3点でした。
① 問われていることを答えの中心に置く。 気持ちを問われたら心情語を、理由を問われたら因果関係を、必ず答えの核に据える。 当たり前に聞こえるが、実際には「なぜそうなったか」を書くことに集中して、肝心の心情語が抜ける答案が多いとのことでした。
② 要素の数を先に把握してから書き始める。 「それに」「また」という接続詞が文章中にあれば、書くべき意味は複数ある。 字数配分と要素数の見積もりを書き始める前に行う習慣が、特に難問での差になります。
③ 自分の答案を一度「他人として読む」。 採点者は文章を読んでいない人です。その人に伝わるかどうかが判断基準。 これは4科目すべての講評に共通して書かれていました。
科目別・答案照合の記録
以下は長男の答案と模範解答・採点基準を1問ずつ照合した記録です。
国語(53点 / 平均60.2 / 偏差値44.7)
6問中、まとまった得点が取れたのは問五のみ。問六は全×でした。
| 問 | 設問の要求 | 判定 | 何が起きたか |
|---|---|---|---|
| 問一 | サクラギの気持ちを類推 | ○○○△ | 概ね書けた。「不思議」を「不思義」と誤字し1点落とした |
| 問二 | 畑山教授の感謝の気持ちを類推(5要素) | ×多 | 「亡くなった次女と似た年頃の生徒たち」という②③の接続が書けず、感謝の連鎖が途切れた |
| 問三 | 「逆効果」の内容を具体化 | ×○○ | 「待ち人の名を告げなかった」は書けた。「かえって委縮させてしまった」の部分が不足 |
| 問四 | 大佐の「無念」の気持ちを類推(「政治」必須) | ○○××× | 「民主主義の歌」「仕事があって見に行けない」は書けた。「日本人女性が政治に参加できるようになった」という背景①が抜けた |
| 問五 | クニが「涙」を流す理由を類推 | ◎◎○× | 「製作にかかわった気球がアメリカに行かなかった→安堵した」という3段階の因果関係が書けた |
| 問六 | クニの「言葉の意味するところ」を具体化(意味2つ) | 全× | 「上下関係のある人と対等に話せた」という意味1つだけ書いた。「自分が戦争に関わっていた」という意味2つ目が抜けた。「字数がいっぱいだった」と息子は言っていた |
問二と問四は構造が似ています。どちらも「手近な理由は書けているが、もう一段奥にある背景が抜けている」パターンです。問四では「日本人女性が政治に参加できるようになった」という背景まで遡れなかった。採点講評でも「文章全体をふまえ、原因を深く追求する」ことが求められていた問です。
問六の全×は、クニの台詞に「それに」という接続詞があり意味が2つ書かれているサインだったのに、そこを読み取れなかったことが原因です。1つ書き終えた時点で字数が埋まってしまい、2つ目に気づく余地がなかった。要素数の見積もりと字数配分を先に行う習慣が、まさにここで必要でした。
算数(50点 / 平均42.7 / 偏差値53.7)
唯一の平均超え。ただし「全部取れた問題」と「内容①だけ取れて崩れた問題」の差が大きかった。
| 問 | 内容 | 判定 | 何が起きたか |
|---|---|---|---|
| 問1(1) | 最小公倍数・2027に最も近い数 | 全○ | 「36-8=28」→「2008と2044を両方示し、2044が近い」という論理的保証まで書けた(答え:2044) |
| 問1(2) | 図形の面積(正解:50.56㎠) | ○××× | 方針を立てたが、切り出す図形の組み合わせが違った。答え16.28 |
| 問1(3) | 仕事算(正解:48分) | ○××× | 「仕事を①とする」方針は正しい。ABが2時間いっしょにやる→残りAのみという設定が途中で崩れた。答え50分 |
| 問2(1) | 約分できる分数の個数(正解:11個) | × | 12個と答えた。1個のずれ。範囲の確認ミスと思われる |
| 問2(2) | 約分できない分数の個数(正解:119個) | ○○○× | 「2の倍数99個・5の倍数のうち2の倍数でないもの20個→119」の論理は正しく書けた(答え:119) |
| 問3(1) | Bの平均点が高くなる説明 | 全○ | A男子2・女子8、B男子8・女子2という具体値で両校の平均を計算・比較できた |
| 問4(1) | おもりの体積(正解:300㎤) | ○×××× | 水そうの体積は出した。が「39の倍数と40の倍数」という方針は根本から違った。答え550 |
| 問5(2) | 鳩の巣原理の説明 | ○×××× | 「辺3本・点5個だから余る」という着眼はあった。が「正三角形を4等分する」という核心に到達できず、図も1つの三角形だけだった |
問1(1)と問3(1)の全問正解が今回の得点源でした。共通点は「具体的な数値で比較し、論理を言葉でつなぐ」形式。問1(1)では「2008と2044の両方を提示して2044が近い」という論理的保証まで書けており、採点講評が求める要件を自然に満たしていました。
問4(1)は「39の倍数と40の倍数」という方針そのものが外れていました。正解は「給水量を先に求める」という手順です。問5(2)の鳩の巣原理は着眼点はあったものの、問題文に「1辺10cmの正三角形を1辺5cmの正三角形に4等分する」と書かれていた部分が読み飛ばされていました。
社会(49点 / 平均53.5 / 偏差値46.4)
知識の方向性ミスと漢字ミスが重なりました。「知っているつもりが逆だった」という類の失点が多かった科目です。
| 問 | 内容 | 判定 | 何が起きたか |
|---|---|---|---|
| 問1-1(1) | 沖縄の主要作物 | ○ | さとうきび・正解 |
| 問1-1(2) | 気候の特徴(2つ) | ○× | ①「台風」○。②「水はけがよい」×(正解:水不足による干ばつ)。乾燥と排水を混同した |
| 問1-2 | 輪作の説明(「同じ耕地」使用) | ××× | 「耕地」を「耕井地」と誤字。「期間を空けながら使う」では輪作の説明にならない。正解は「定期的に作物を変える農法」 |
| 問1-3 | 砂糖の工業生産の利点 | ○○○ | 「生産量が安定する」で部分点。「安く・大量生産できる」「さまざまな原材料を使える」まで書けると満点 |
| 問2-1(1) | 参勤交代 | ○ | 正解 |
| 問2-1(2) | オランダ風説書の目的 | ×× | 「幕府に貿易のじょうぎを伝えるため」→正解は「国外がどのような状況かを知るため」。オランダ風説書の内容を誤解していた |
| 問2-3(1) | 元寇の背景 | ○○○ | 「フビライ・ハンの要求を断ったから」の方向で部分点取得 |
| 問2-3(2) | 足利義満の功績(南北朝・貿易) | 全× | 「日本を南北に分け、南北朝時代に貿易をさかんにした」→向きが逆。義満は南北朝を統一した人物 |
| 問2-4(2) | 南蛮貿易の仕組み説明 | ×× | 輸入と輸出の方向を逆に書いた。ポルトガルが中国の品物を日本に輸出するのが正解 |
| 問2-5(1) | 長崎貿易の輸入品(3つ) | ○○× | 生糸○・綿織物○。「砂糖」を「石米唐」と誤字で× |
| 問2-5(2) | 砂糖と関係の深い藩 | × | 「琉球藩」→正解は「薩摩藩」。琉球を経由するルートは知っていても、管轄した藩を誤答 |
| 問2-8(2)② | 日本遺産認定が観光に与える影響 | ××× | 「人気な場所に行くから人気」という循環論法。正解は「複数の文化財をまとめて訪れる→宿泊日数が増える・訪問場所が増える」という行動変化 |
最も印象に残ったのが問2-3(2)で、足利義満の知識が「分けた」と逆方向だったことです。問2-4(2)の輸入・輸出の逆転も同じ系統の問題です。記述式はそれが言葉として出力される分、方向の誤りがそのまま全×になります。「なんとなく知っている」と「方向まで確認できている」は別物だとあらためて感じました。
知識問題(さとうきび・参勤交代・シルクロード)は安定して取れていました。元寇(問2-3(1))も方向性は合っていて部分点を確保できています。今回の社会の課題は「記述力」よりも「知識の精度」だと判断しています。
理科(41点 / 平均46.5 / 偏差値46.0)
「方向が逆になる」ミスが複数問で重なりました。概念を逆向きに覚えている場合、記述式ではそれがそのまま全×になってしまいます。
| 問 | 内容 | 判定 | 何が起きたか |
|---|---|---|---|
| 大問1(1)記号 | えらの形(ウ) | ○ | 正解 |
| 大問1(1)利点 | えらの形状の利点 | × | 「気吸う(空気を吸う)表面積が大きくなる」と書いた。正解は「水にふれる面積が大きくなる」。空気と水を取り違えた |
| 大問1(5) | 実験条件の設定 | ××× | 大きい水そうと小さい水そうにAとBを入れる向きが逆。「大きいにBを飼っていた水とA、小さいに水だけ」が正解 |
| 大問1(7) | オタマジャクシの色変化の利点 | ○○○○ | 「黒からとうめいになっているので、かくれやすく、天敵から見つかりにくくなった」。図から読み取った根拠を利点と結びつけて書けた |
| 大問2(3) | 沸点の温度と理由 | ○×× | T=100℃は正解。理由:「100%になるとふっとうする」は×。正解は「水が水蒸気になることだけに熱が使われているから」 |
| 大問2(4) | 山地での沸点の変化 | 全× | 「標高が高くなると気圧が上がるので温度が高くなる」→向きが完全に逆。正解は「気圧が低くなる→沸点が100℃より低くなる」 |
| 大問2(6) | 糸が氷を通過する理由 | 全× | 「水に圧力がかかっているが、温度が低いから」と1行で終わらせた。正解は「圧力で液体になった部分を糸が通過し、通過後に圧力が戻って再凍結する」という2段階の説明 |
| 大問3(6) | アルミニウムの水素発生量が多い理由 | ○○○ | 「原子の個数がアルミニウムで亜鉛などより多い」で部分点。「1個あたりが最も軽いから個数が多い」という根拠まで書けると満点 |
| 大問4(1) | 月の運動の説明 | ○○○ | 「地球のまわりを公転している」・正解 |
| 大問4(6)(7) | 距離と大きさの倍率 | ×× | 6は「3倍」と書いて×(正解:4倍)、7は「4倍」と書いて×(正解:3倍)。2問の答えを入れ違えた |
理科で最も気になったのは、方向の逆転が社会と同じように複数問に渡ったことです。大問2(4)の「気圧が上がる→沸点が上がる」(実際は逆)、大問4(6)(7)の倍率の入れ違え、大問1(5)のAとBを逆に入れた実験設定。「なんとなく知っている」状態で書いた結果、方向まで確認できていなかったとしか言いようがありません。
大問1(7)のオタマジャクシの色変化説明が○○○○だったのは収穫でした。「図から根拠を読み取り、利点と結びつける」という記述の型が機能した問です。大問2(6)の糸と氷の問題は、2段階の説明が必要なのに1段階で終えてしまった。「採点者は文章を読んでいない人だ」という意識で読み直せば、説明が足りないことに気づけたはずです。
答案を全問見た後で思うこと
4科目すべての答案を照合してみて、共通して見えたパターンが2つあります。
「知っているつもりが逆だった」問題の多さ。社会の足利義満(南北朝を分けた→逆)、輸入と輸出の逆転、理科の気圧と沸点の関係(上がる→逆)、理科の倍率の入れ違え。これらはいずれも「記述力」の問題ではなく「知識の精度」の問題です。普通のマーク式なら選択肢の中から選べるかもしれないが、記述式は言葉で出力するため逆転がそのまま文章になって全×になる。
「1つ目を書き終えたところで止まる」問題。国語問六(意味が2つあるのに1つで字数を埋めた)、算数問4(1)(水そうの体積を求めたところで方針が詰まった)、社会問1-3(「生産量が安定する」で止まった)、理科大問2(6)(1段階で終えた)。どれも「書いた」けれど「まだある」ことに気づけなかった問です。
算数が唯一の平均超えだったのは、問1(1)と問3(1)で「最後まで論理を言葉でつなぐ」ことができていたからだと思います。同じことが他の科目でも一部の問ではできていた。できる時とできない時の違いを長男と一緒に言語化していくのが、次のテーマになりました。

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