「親が引く勇気」──中学受験で“塾漬け”にしない家庭の覚悟

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この記事は、ダイヤモンド・オンライン掲載(https://diamond.jp/articles/-/366272
「わが子を『塾漬け』にしないために…中学受験の親が持つべきたったひとつの『覚悟』とは?」 (矢野耕平(著)、ぴよととなつき(マンガ)『中学受験のリアル マンガでわかる 志望校への合格マップ』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したもの_2025年6月掲載)の内容を引用・要約しつつ、筆者(共働き家庭の父親)が自らの経験を交えて再構成したものです。

筆者はかつて中学受験に挑み、結果は全滅。その後、公立中学校に進学しました。悔しさもありましたが、そこで得たものも確かにありました。

多感な時期に多様な家庭環境の同級生と過ごしたことで、人間関係の許容範囲は広がり、異なる価値観を自然に受け入れる力が育ちました。学習内容で遅れを取ることはなく、授業にも困らなかった一方で、いじめや私語、生活態度の悪さなど、学びに真剣でない同級生とのギャップに悩むこともありました。

中学3年間、学級委員を務め、朝礼での校歌指揮、卒業式の答辞を任されるなど、責任ある立場に立つ経験を重ねたことは、今の人格形成の礎になっています。ただし、公立中では「一緒に高めあう仲間」や「尊敬できる恩師」には出会えませんでした。救いとなったのは、高校進学後に出会った仲間と恩師の存在でした。

この経験があるからこそ、私は今、「どんな進路であれ、学びの質をどう確保するか」を家庭のテーマとして捉えています。


親の「温度設定」──手を出す基準、引く基準

ダイヤモンド・オンラインの記事では、「親がどこまで中学受験に関与すべきか」という視点から、“温度設定”の重要性が指摘されています。

小2〜4年では親の手助けが必要ですが、小5以降は徐々に手を引く計画性が求められます。「丸つけ」「スケジュール管理」「復習の確認」などを段階的に子どもへ移行させることで、学習の自立を促すのです。

筆者の家庭でも、次のようなルールを設けています。

  • 小4までは丸つけやノート確認を一緒に実施
  • 小5からは原則本人管理、模試直後のみ親がフォロー
  • 宿題の遅れは「気づく」までは放置し、本人から声を上げたときにサポート

親が全てを抱えず、「見守る勇気」を持つこと。これが、子どもの自立を妨げない“温度設定”の第一歩です。


夫婦の役割分担──どちらかが冷静でいる

記事では、共働きやシングル家庭を含め、「家庭ごとの事情に合わせた役割分担」が大切だと述べられています。

わが家の場合、塾とのやり取りや日々の管理を担うのは私(父)。一方で妻は、“距離を保ちながら支える役割”を意識しています。

ただし、実際に冷静でいられるのは妻の方です。私は分析や戦略を考えすぎるタイプで、模試の偏差値や過去問の得点を数字で追いすぎてしまうことがあります。

「塾を辞めずに続けてるだけですごいことだよね」

妻のこの一言に何度も救われてきました。夫婦で温度差を持つことが、結果的に家庭のバランスを保ちます。どちらかが常に冷静でいることが、子どもの“逃げ場”になる──それが受験期を支える最大のチーム戦略です。


「やめる基準」を決めるという支え方

ダイヤモンド・オンラインの記事の中でも印象的だったのは、「中学受験をやめる基準を事前に決めておく」という提言です。

学力の伸びには個人差があり、誰かが上がれば誰かが下がるのが偏差値の構造。だからこそ、数値だけで判断せず、精神面や家庭生活への影響も含めた「やめる基準」を設けるべきだと述べています。

筆者の家庭では、「撤退」という言葉は使いません。

「別の道を選ぶ」「一度立ち止まる」

そう言い換えることで、子どもの自己肯定感を守ります。進学の形よりも、「学びを続ける姿勢」を支えること。それが親の本当の“覚悟”だと感じます。


教育は「投資」ではなく「伴走」

記事の最終章では、「教育を投資で測る危うさ」が強調されています。

私立進学には多大な費用がかかりますが、教育の価値を「コスパ」だけで語るのは、子どもの人生を数字で換算するようなものです。

筆者も同感です。親が得るべきものは、子どもの合格実績ではなく、努力の過程を見届ける経験

模試で結果が出なかったとき、「何が悪かったの?」と詰めるよりも、「次はどう立ち直る?」と問う。それが、親の伴走力であり、教育の“プライスレス”な価値だと思います。


まとめ──「結果」ではなく「時間の意味」を育てる

筆者は、中学受験で全滅した悔しさを今でも覚えています。しかし、その後の公立中・高校での経験を経て、「結果」よりも「過程の価値」を信じるようになりました。

もし息子がどんな結果を迎えても、「その時間に意味があった」と胸を張って言える家庭でありたい。それが、わが家にとっての「中学受験の覚悟」です。


出典・参考文献

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